今回ご紹介のこの本『THE RULES』。
いよいよ来たか!と思われた方も、いるかもしれませんね。
知っている人は知っているし、知らない人はアメリカ人でも全く知らない。
そんな本です。
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Girls, Girls, Girls / Nanagyei
この日本版の副題は、『理想の男性と結婚するための35の法則』。
元々、1995年に出版され、瞬く間に全米でベストセラーになった「恋愛指南書」で、独身女性に向けて書かれている本なのです。
世界30か国以上で翻訳され、女性の中では、大袈裟ではなく「恋愛のバイブル」とも言われている大変有名なものなのですね。
二人の女性著者によって書かれており、続編も出されています。
今回取り上げているのは、約20年前に書かれた「1」に当たる方です。
内容は携帯電話も無い時代なので、出てくるシチュエーションが現代と異なる部分がありますが、その違いは些末な事かと思います。
どうやらこの二人が編み出した必勝法ではなく、「祖母より伝え聞いた、その家系に伝わる色あせない恋愛の必勝法を一冊の本にまとめてみた!」という感じの普遍的な恋愛必勝法のようですね。
さて、本書に入っていく前に、インターネット上の評判を見てみました。
正直、かなり賛否両論の内容となっています。
つまり、星5つを付けて絶賛している人もいれば、星1つの価値も無いくだらない本と酷評している人もいるということです。
これは、日本における評価だけでなく、アメリカにおいても同じように評価が二分されています。
なので、「この本に書いてあることは、アメリカなら通じるかもしれないけど、日本じゃ全然ダメ」というのは、どうやら違うようですね。
ということは、読み手の置かれている状況であったり、解釈の仕方によって、その効果は様々なのでしょうか。
では、内容に入っていきます。
世の中には、「恋愛に駆け引きは必要ない」派と、「大なり小なり駆け引きが必要」派の2つの派閥が論争を繰り返しているのは、周知の通りです。
「THE RULES」は、完全に後者です。
さらに、上記では「恋愛指南書」と言いましたが、正確には「婚活指南書」です。
理想的な男性にどうやって選ばれ、一生愛される結婚生活を得るには、どうすれば良いのか?
その法則が淡々と書かれているのです。
本文において一貫している主張は、
『決して女性からアプローチせず、必ず最初は男性から声を掛けさせる。そのために女性は女性磨きを怠らず、ミステリアスな存在でいるべき』
というもの。
このルールを破ると、その恋愛は成就することが難しく、例え結婚に辿り着いても浮気などの心配が付きまとうことになるでしょう!という脅し文句も書いてあ ります(苦笑)
本書において読者から一番批判されている部分は、やはりこの「決して女性からアプローチせず・・・」のところなのです。
男性から留守番電話にメッセージが入っていても、決してこちらからかけ直してはいけない!などの部分が腑に落ちないと多くの女性から反対意見が出ているように思います。
日本人のコメントでも、「その方法はアメリカだから通用するのであって、日本には合わないと思う」というのが少なくありませんね。
最近では、「草食男子」などという単語も一般的になるほど、男性からアプローチする機会が減っています。
その貴重な!?アプローチを棒に振るというのは、千載一遇のチャンスを失うことにも繋がるのでは!?と心配する女性が多いのも頷けますね。
特に、「肉食女子」という言葉も出てくる日本の恋愛事情ですから、女性からのアプローチを否定されるのは、納得いかないと思うのも自然でしょうか。
「個人的に、この主張を男性としてどう思うか?」と聞かれれば、著者の意見を頭ごなしに否定はできませんね。
昔ながらの「女性は愛すよりも、愛されて結婚した方が幸せになれる」という主張を重視するのであれば、著者のアドバイスは高く評価されるものになるでしょうし、
「自分が一番好きな人と一緒にいるのが、なによりも幸せ」というのであれば、どちらでもいいことになるでしょう。
日本、いや世界的に、恋愛に「駆け引き」を持ち込むことに対して、批判的な意見が多いようですね。
打算的であり、いやらしい。恋というのは、もっと純粋であるべきだ。
そんな考えが見え隠れします。
しかし、本書で伝えたいのは、そういった「恋の駆け引き」を推奨しているのではなく、もっと根本的な部分だと思うのです。
例えば、本書の中で、パートナーを捕まえるために、努力せよ!と書かれています。
毎日をのんびり惰性で暮らすのではなく、ダイエットやメイクアップ、ネイルサロン、場合によっては相手の話についていくだけの教養まで身に着けるように助言しています。
時間を見つけては、独身者の集まるBARなどの場所へ行き、男性からアプローチされるまで決して自分から声を掛けてはいけない!
お店の中をゆっくりと行ったり来たり、必要があれば何回でも化粧室に行ってメイクを直したりと、声を掛けられるまでずっと魅力的な女性を演じ続ける。
もし、数時間経っても誰にも声を掛けられなかったとしても、決して自分から男性に声を掛けるようなことはせず、その日は素直に撤退し、日を改める。
つまり、内面の重要さも説いている一方で、外見磨きの重要性も同じように説いてあり、独りよがりの主張では無いと思います。
外見磨きにしても、飛び切りの美人になる必要があるのではなく、自分に対してある程度の自信が持てるようになるための手段として推奨しているように思いますね。
なんだかんだ言っても、ミステリアスな女性を演じようと思えば、ある程度の自信が無いとできませんから。
そして、その「自信」は、恋愛において大きな武器となり、駆け引きの重要な要素となってきます。
この「駆け引き」というのは、ビジネスと同じで、「どちらが主導権を取るか?」ということになります。
特に男女関係の場合、極論を言えば男性の「セックス」に対しての欲望を適度にコントロールし、女性である自分の価値を出来る限り上げるということになるでしょう。
なので、デートの受付完了日から、デートでどこまで関係を深めていいのか?ということまで、事細かに書かれています。
最後に本書において、もう一つ共感した部分を。
(付き合い始めたら…、もしくは結婚したら)「異性は変わるだろうということを、期待してはいけない」というRULE。
例えば、彼はインドア派。あなたはアウトドア派。
もしそうであれば、「結婚したら、一緒にキャンプとか、フィッシングに行きたい!」という願望は諦めてくださいというもの。
人間、相手に対して、1つや2つは変えてほしい部分があるもの。
しかし、そこは変えることはできないと思うべきだ!と著者は言います。
期待をするから相手に不満が出てきたり、指図したくなる。
それが、二人の関係に大きな影を落とすになり、結婚生活を不穏なものにするのだそう。
もし、相手にどうしても我慢できない部分があるのであれば、諦めて受け入れるか、さもなければ新しいパートナーを探すべき!
上記の嗜好の違いはまだ良いですが、厄介なのは、「ギャンブル中毒」とか、「アルコール中毒」、あとは「プレイボーイで浮気性」なんかでしょうね。
こういった過去がある人は、やはり深い関係になる前に、対象から外した方がよさそうです。
とまあ、一部過激なことが書かれているように見える本書ですが、案外!?まともなことが書かれています。
恋愛系のコラムが好きであれば、どこかで一度は見たことがあると思える内容が多いですが、原本はこちらの方でしょう。
文庫本で高くないので、どちらの感想を持つにしても、一度は読んでおく価値があるかもしれません。
ただ、基本、女性向けの本なので、男性が読んでもあまり得るものはないかも!?