結婚相談所選びで失敗する一番の原因は、提供サービスの違いを理解せずに、入会してしまうことです。
世の中一般では、業態が違うものもまとめて「結婚相談所」と呼ばれていますが、実際にはサービスにおいて大きな違いがあります。入会後のクレームは、その認識ミスが起因となっていることが多々ありますので、「大手だから大丈夫だろう」とか、「沢山の人が利用しているから」と安易に考えず、しっかりとサービスの違いを把握しておきましょう。
<目次>
● データマッチング型サービスの概要
● データマッチング型サービスのメリット
● データマッチング型サービスのデメリット ● 仲人・結婚相談所型サービスの概要
● 仲人・結婚相談所型サービスのメリット
● 仲人・結婚相談所型サービスのデメリット
● 結婚相談所選びのアドバイス
● 入会から成婚までの流れ
● 料金について
● 料金についてのアドバイス
まず、「結婚相談所」と称されているサービスを大きく分けると、
1.データマッチング型サービス(結婚情報サービス会社)
2.仲人・結婚相談所型サービス
があります。
データマッチング型サービスの概要
この分類に属する有名な会社の名前を挙げると、
「オーネット」,「ツヴァイ」,「サンマリエ」,「ノッツェ」,「ブライダル」などが該当します。
独自のデータベースを持ち、会員になれば「独身会員の情報」を提供してくれる会社です。
大手が中心で、主要都市に店舗があり、全国展開していることが多く、都市部では探しやすいでしょう。
一見、「仲人・結婚相談所型」と似ていますが、情報提供を受ける以外、基本的に相手と会うためのアクションなどは自己責任の元、各自で行う必要がある点が大きく異なると言われています。
データマッチング型サービスの中には、上記のような支店だけでなく、一部加盟店制を取り入れているところもあります。
データマッチング型サービスのメリット
■会員は、「独身証明書」、「最終学歴の卒業証明書」、「勤務先の身分証明書」といった書類の提出が求められているため、身元は確かな人が多い。
■会員数も、仲人・結婚相談所型サービスに比べても遜色ない場合が多い。
■成婚料が要らない。
データマッチング型サービスのデメリット
■入会後の活動は、自己責任であるため、自分から積極的に行動しないと異性と会うことすら難しい場合もある。
■そのため、会員数の多さに対して、自分自身の条件や積極性によって、実際の出会いが期待できないケースもある。
■成婚料は掛からないが、その分、第3者から本格的なアドバイスを受けることが難しい。
■入会時に一括支払いシステムのところが多い。
(補足)
最近では、データマッチング型サービスの中でも、簡易アドバイザーの導入や成婚料を採用をしているところもある。
次に、「仲人・結婚相談型サービス」を見ていきます。
仲人・結婚相談所型サービスの概要
一般の人が、「結婚相談所」と聞いて、まず思い浮かぶのはこちらのタイプかもしれません。
中小の結婚相談所がデータベースを共有し、その中で会員を紹介し合うという形です。
このデータベースを管理・運営している団体として、
「全国仲人連合会」,「日本ブライダル連盟」,「日本結婚相談所連盟」,「日本仲人連盟」,
「日本仲人協会」,「良縁ネット」などが該当し、それぞれのデータベースは独立しており、違う団体間での会員情報のやり取りはありません。
以上の仕組みにより、個別の相談所(会社)の規模は関係なく、多くの異性を探すことが可能となっています。
前述のデータマッチング型サービスとの大きな違いは、本格的なアドバイザーの存在です。
その結果、費用として結婚確定時に「成婚料」が掛かってきますが、その分、親身になって貰えるとも言えます。
上記の図のように、相談所によっては、複数の団体に属しているケースもあります。
また、複数の結婚相談所に掛け持ちで入会を検討する場合や、会員の人数や質に不満があり、違う結婚相談所に移ることを検討する際には、おおもとの所属団体(●●連盟、○○連合など)が同じだと紹介可能な人も必然的に同じなので注意しましょう。
仲人・結婚相談所型サービスのメリット
■ 会員は、「独身証明書」、「最終学歴の卒業証明書」、「勤務先の身分証明書」といった書類の提出が求められているため、身元は確かな人が多い。
■結婚情報サービス会社よりも登録者数が少ない団体もあるが、結婚に対してより真剣な人が多い傾向がある。
■迷った時には、その場でアドバイザーの経験に基づいた的確なアドバイスを受けられる。
■お見合いの申込やお断りなど、自分の代わりに色々な段取りを行って貰える。
■お見合い申し込み時に、アドバイザー同士の人的な繋がりで、データベースでは分からない人柄などの情報もやり取りされることがあり、お見合いが組める確率が高くなることがある。
仲人・結婚相談所型サービスのデメリット
■年齢や学歴・年収などの条件が重視されやすい。
■担当のアドバイザーと考え方などが合わない場合、アドバイスが煩わしく感じることがある。
<その他>
上記以外に、仲人・結婚相談所型サービスを提供しながら、独自の会員データベースを構築している【折衷型】の会社もあります。ある業種や地域に絞って活動しているケースが多いようです。
結婚相談所選びのアドバイス
一般に言われていることとしては、
■「自分で自由に婚活したい!」「出来る限り料金を安く抑えたい!」 ⇒ データマッチング型サービスがオススメ!
■「しっかりサポートして貰いたい!」「一人で婚活していると怠けてしまうので、随時、背中を押して貰いたい」 ⇒ 仲人・結婚相談所型サービスがオススメ!
となっています。
その一方で、入会後によくある苦情としては、
■データマッチング型サービス入会者 ⇒「全然構ってくれなくて、ほとんど放置状態。毎月●人紹介して貰えると言われていたが、紹介だけでお見合いを組んでくれる訳ではなかった。なので、自分で相手を探していくつか申し込んでみたものの、ほとんど組めなかったので諦めて退会した。」
■仲人・結婚相談所型サービス入会者 ⇒「自分のタイプでは無い人ばかり勧められた。担当者とそりが合わなかったので、半ば喧嘩別れで退会した。」
というケースが多いようです。
どちらのサービスが良いかは、正直、人それぞれと言わざるを得ないでしょう。
客観的にみて、婚活市場において自分のスペックが高く、それなりにコミュニケーション能力にも自信があるという場合には、「データマッチング型サービス」で、タイプの異性へどんどんアプローチするのが良いかもしれません。
また、料金から言えば、「データマッチング型サービス」の方が、一見安上がりですが、「成婚料」を計算に入れなければ、「仲人・結婚相談所型サービス」の方が安い場合があります。
成功報酬という考え方がしっくりくるのであれば、「仲人・結婚相談所型サービス」の方が良いかもしれません。
成婚率から言えば、マンパワーが違う「仲人・結婚相談所型サービス」に軍配が上がります。ただ、担当者の力量に大きく左右されるところでもあり、自分の性格に合わない担当者との婚活は、かえって苦痛になることもあるでしょうから、十分吟味して選ぶことをお勧めします。
入会から成婚までの流れ
a.相談(カウンセリング)
無料で行うところがほとんどだが、遠方の場合、出張費が掛かる場合もある。
サービス内容の説明から、具体的な婚活方法についての質疑応答。
小規模な相談所であれば、カウンセラーと入会後のアドバイザーは同じ人なので、自分との相性も確認すべき。
b.入会
入会手続きには、一般的に下記の書類が必要となる。
○独身証明書1通:本籍地のある市区町村役場で発行されたもの(3ヶ月以内の原本)
○住民票1通:3ヶ月以内の原本
○卒業証明書:短大卒以上の方
○収入を証明できるもの:直近の源泉徴収票、確定申告など
○写真1枚:3ヶ月以内に撮影したカラー写真
恐らく、多くの人にとって聞き慣れないのは、『独身証明書』でしょうか。
「独身証明書」は、まだ新しい制度で、以前は、独身であることを公的に証明する書類としては戸籍謄本・抄本しかありませんでした。
しかしながら、戸籍謄本・抄本には、多くの個人情報が記載されています。
そのため平成11年(2000年)から、結婚情報サービスや結婚相談所などへの提出用の公的書類として「結婚情報サービス・結婚相談業提出用証明書」が発行されるようになりました。
ちなみに、市区町村の担当窓口に問い合わせれば、郵送手続きにて入手することも可能です。
c.プロフィール作成
昔ながらに紙媒体の「身上書」を仲人経由でやりとりする相談所が、まだ少なからずあるが、基本的には会員情報はデータベースに管理されている。(※仲人が集まって月に数回、会員情報交換をしているところもある。)
データベースに登録することにより、同じ団体に所属する会員から、あなたを見つけて貰えるようになる。
d.お見合い
・異性からお申込みされるケース
・会員データベースを見て、自分から申し込むケース
・カウンセラー(仲人)さんからお勧めされるケース
とあり、ご自身とお相手の方が了承されれば、実際に会う日時や場所の設定に進む。
入会してすぐのお見合いに不慣れな時期には、どちらかの仲人さんが立ち合ってくれることが多い。
e.交際
お見合いが行われ、双方ともに好感を持ち、お互いの意志が確認されたら交際に進みます。
交際開始時には、お互いの連絡先が交換されるので、担当カウンセラーを通さなくても連絡が取れるようになる。
通常、「交際開始3か月後」を目途に結婚の意志が問われることになる。
f.成婚
お二人が結婚を決められた段階で成婚となる。
結婚相談所へ、その旨を告げて「成婚退会」となる。
料金について
結婚相談所において、料金は本当にバラバラです。
所属している団体で均一のところもあれば、そうでないところもあります。
また、地域によっても相場が大きく異なります。
■登録料 ・・・ 結婚相談所のデータベースへの登録、プロフィール作成に掛かる費用。
■入会金 ・・・ 該当の結婚相談所への入会費用。
■月会費 ・・・ データベースの利用やサポート全般に掛かる月単位の定額費用。
■お見合い設定料 ・・・ お見合いの申し込みが成立した場合に掛かってくる費用。お相手からのお申込みをお受けした場合にも発生。ただ、相談所やコースによって費用の有無は異なる。
■成婚料 ・・・ 結婚が決まった際に御礼として相談所に支払う料金。女性の場合、成婚料を一緒になる男性から払ってもらうことが出来るシステムがあるところもある。もちろん、その旨を事前に知らせる必要もあり、そこまで相手に気に入って貰えることが条件になるので、ハードルも上がる。
<その他の費用>
■更新料 ・・・ 多くの結婚相談所において、在籍期間が1年単位(2年の場合もあり)となっている。期間内で成婚にならなかった場合、継続の意志を聞かれ、続ける場合に掛かってくる費用。
以上が一般的な<料金項目>となっていますが、なかには上記以外の独自料金を設けているところもあります。
料金についてのアドバイス
「成功する結婚相談所選び」という視点から言えば、料金を見るのは最後の最後にした方が良いと言えます。結婚相談所への入会というのは、安い買い物ではありません。しかし、料金を重視し過ぎたばかりに、結局1年をムダに過ごして婚活を辞める、もしくは別の結婚相談所に入り直すということになれば、本末転倒だからです。
結婚相談所への入会を考えている方の多くは、年齢的な時間的余裕は少ないはずですから、あなたに合った環境で短期決戦に臨むのが吉でしょう。
また、料金について一番悩むのは、「お見合い設定料」の部分でしょうか。基本的に、「お見合い設定料」が1回毎に掛かるプランは、月額料金が低めになっており、結婚相談所としてトータルでのバランスが取れるように設定されています。
「自分は本当に気に入った人としかお見合いをするつもりがないので、月額安めでお見合い設定料が掛かる方で良いです」という方がいらっしゃいますが、お見合いは双方の同意があって初めて成り立ちます。お見合いが成り立つ確率は人によって大きく異なります。15~20人に申し込みしてやっと1人と会えるというのも珍しくありません。更にご本人にコミュニケーション能力が無いと、交際に繋がらず、お見合いを沢山組む必要も出てきます。そういったこともしっかり考慮してプランを選ぶのが良いでしょう。
3.団体(結婚相談所が所属する連盟・協会)について
上記の概略図のように、いくつかの団体が会員情報をデータベース化し、それぞれ運営しています。
当然、違う会社間での情報共有はありません。
具体的な結婚相談所を選ぶ前に、大手の団体(○○連盟、▲▲協会など)に属している一般の結婚相談所の仕組みを知っておいた方がいいかもしれません。
もし、あなたが「今後、ますます婚活ビジネスは伸びると思うことと、人の世話をするのが好きなので、本格的な結婚相談所を開きたい!」と考えたとします。
そうすると、一人の人的ネットワークでは、独身男女をマッチングさせるにも限界があります。
そのため、世の中にいくつかある団体を選んで、そこのネットワークに参加することになると思います。
その団体へ仲人として登録するに当たっては、通常、
・供託金 ⇒ 初期費用として数十万円~百数十万円
・月額費用 ⇒ 相談所においてネットワークに登録している会員の人数 × 数百円~数千円 を毎月
といった費用が基本的に発生します。
これが団体の儲けであり、運営資金となります。
この料金は団体によって異なるので、初期費用や本部からのバックアップなどを勘案して、どこの団体に属するか決めることになります。
そして、結婚相談所を開いた仲人さんは、この月額費用に諸経費を乗せて会員さんに請求することとなります。
団体によっては、会員さんへの料金を統一しているところもあれば、仲人さんにお任せしているところもあります。
さて、問題はここからです。
現在、数万人規模の会員を抱えた複数の団体が存在します。
設立年月日は、それぞれことなります。
数十年前から経営している団体もあれば、まだ十数年の団体もあります。
にも関わらず会員数は、それほど差が無い場合がほとんどです。
では、どうやって新規の団体は大きくなったのでしょうか?
もし、あなたが新規団体の経営者、もしくは営業部長だったら、どうやって仲人さんに自分の団体へ所属して貰いますか?
団体のパワー = ネットワークの会員数 です。
※仲人さんの数ではなく、独身者の入会者数です。
100人しかいない団体と、10,000人いる団体のどちらに独身者は魅力を感じるかと言われれば、当然人数が多い方になるでしょう。
なので、会員数の少ない団体に高いお金を払ってまで、所属する仲人さんもいません。
そうすると、新しい団体として目先の利益よりも、まずはネットワークに登録される会員数の増加が至上命令となる訳です。
そのため、既存の結婚相談所へアプローチし、「供託金は無料で構いませんので、是非うちのネットワークにご参加頂けないでしょうか?」という営業トークになります。
「まあ、タダならいいか」ということで、いままで「団体A」に所属していたある仲人さんは、新しい「団体B」にも所属するということになります。
そして、その仲人さんが20人の独身者を抱えていたとすると、その「団体A」のデータベースに登録されていた20人のデータが「団体B」のデータベースにも登録されることになっていくのです。
そうやって「団体B」は大きくなっていき、一定数集まった段階で、新規所属を希望する仲人さんにはちゃんとした供託金を請求することになります。
<結論>
こういった流れがあり、現在ある大きな団体において、会員が重複している割合は結構大きいのです。
ただ、本部の置かれている場所や歴史的な変遷の中で、○○連盟は関東が強い(関東に会員が多い)とか、▲▲協会に所属している仲人さんは地方都市に多いというような偏りはありますので、地域の結婚相談所がどこに属しているところが多いのか?ということは、相談所選びの際にチェックしてみると良いかもしれません。
<おまけ>
団体の今後を考えると。。
高齢の仲人さんだと「メールではなく、FAXで(釣書を)送って頂けますか?」という人も少なくない業界です。
元々、仲人さん自体がITに疎い方が多いということもあり、業界全体としてIT化が遅れていると言えます。
とはいえ、オンライン、オフラインの良い所を押さえた独自ビジネスモデルに挑戦しているところはあります。
そのため、昔ながらの経営方法でずっとやっている老舗と言われる団体は、今後10~20年程で大幅に規模が縮小するか、消えていくのかもしれません。