今月の書評(婚活編)

mata-aitakunaru

「また会いたくなる人」の書評


この著者の名前は、大橋清朗さん。

名前の通り、男性です。

この名前を聞いて、ピンと来る人は、恐らく婚活業界の人でしょう。

しかし、この人が経営している学校の名前を聞いたことがあるという人は、結構いると思います。

その学校の名前は、ズバリ「花婿学校」。

NPO法人として、花婿学校の代表をされているのです。

そんな大橋さんが上梓したこの本ですが、副題が「婚活のためのモテ講座」となっています。

副題の通り、内容はかなり具体的な話に終始しており、抽象的な精神論ではありません。

リアルな現場が見えてきます。

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結婚の早い人たちの多くには、ある共通点があります。

男性の場合は、「高収入(=仕事ができる)、または人間力(コミュニケーション力)が高い」。

女性の場合は、「外見をキレイに魅せるのが上手である」。

(本書の「はじめに」より)
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この主旨に合わせて、本書では話が進んでいきます。

元々、ご本人が小さい頃、コミュニケーションに対して強い苦手意識を持っていたそうで、そこから結婚したい一心で、沢山の書籍を読んだり、実際に人と接することを意識的に増やしたという経験の結果、素敵な伴侶を得たというのが、この本の背景にあります。

その彼が人生から得た答えは、

人は変われます。

他人と過去は変えれませんが、自分と未来は変えられます。

幸せは自分でつかむものなのです。

ということです。

 

さて、具体的な内容に入っていきますね。

大橋さんは、「花婿学校」を運営するだけあって、生徒さんに対して事細かに指示を出します。

世の中一般の仲人さんだと、その人の個性としてあまり口を出さないような部分にも、大橋さんは積極的に口を出しています。

目指すところは、生徒さんがより多くの異性から「また会いたい」と思って貰える、つまり一般ウケするようにアドバイスしています。

そして、その大前提となる心構えに対してもうるさそうです。

結婚を考えたら、半年や一年くらいの婚活期間を決め、お金と時間を使い、真剣に努力してみるものです。仕事を言い訳にしてはいけません。仕事ばかりしている人であれば、仕事を通じて出会いを作ってください。寝る間を惜しんで出会いをしてください!

 

この文章からも分かる通り、幸せは自分でつかむものということを徹底しています。

厳しい先生ですね(笑)

更に、時には耳の痛いことも言ってきます。

例えば、

(女性)結婚を考えていますが、はっきり言って、いい男が周りにいないんです!私は男運が無いのでしょうか。
私よりもかわいいと言えない友達だって最近彼氏が出来たみたいで、内心焦っています。

という質問に対しては、

(大橋さん)「いい男」が周りにいないという前に、あなたは男性から見て、「いい女」と自信をもって言えますか?
あなたが男性だったら、あなたと付き合いたいですか?
自問自答してください。
「いい女」になっていれば自然に光り輝き、いくらでも「いい男」が寄ってきますよ。
あなたが希望する男性とあなたが立っているステージが違うのではありませんか?

と至って正論で返します。

勿論、大橋さんの唱える「いい女」というのは、外見だけではありません。

本書の中でも、
・笑顔できていますか?
・ちゃんと挨拶できていますか?
・周りに迷惑をかけていませんか?
・人の長所を見ることはできていますか?
・感謝の心をもっていますか?

等々、愛される為の基本所作についても、かなりのページが割かれています。

特に、「話し方」についてのアドバイスは、実践的です。

婚活パーティーやお見合いを経験したことがある人であれば、かなりイメージもつきやすいでしょう。

逆に、できる限り初めての人と会うのを避けてきたような人にとっては、「初対面の人と話す時って、こんなに色々気を遣わなくてはいけないの?」と思わされるかもしれません。

そこは「慣れ」であり、最終的には意識せずして、これらのことができるようにならなくてはいけないのですが。。

個人的には、「婚活パーティー」や「お見合い」というのは、仕事と同じように「段取り8割」だと思います。

身だしなみは会ってからどうこうできるものではありません。

そして、時間が限られる中での会話は、大体パターンが決まっていますので、就職面接と同じように、ある程度受け答えも想定できます。

ただ、お笑いと同じく、同じセリフを言うにしても、言い方であったり、タイミングというのが、重要になってきます。

これに関しては、場数を踏むしかないでしょう。

経験というバックグランウドが無いと、いくら先生がアドバイスしても、深く理解できないものですからね。

 

 

本書の中盤は、「出会い方」についても書かれています。

常識的なマナーが身についてきたら、今度は自分で「出会い易い」環境を作ることを勧めています。

例えば、周りに「こんな人が居たら、是非紹介してね」と伝えておくとか、「出会いの場」を積極的に利用するといったことです。

大橋さんは、「結婚相談所」や「婚活パーティー」などの利用は肯定的です。

どうやら、ご本人が婚活パーティーで素敵な奥さんをGETしたということもあると思います。

しかし、そういった有料のサービスを独身者へお話すると、結構な確率で疑問を持たれるそうです。

その疑問というのは、ズバリ「本当にそういったところに行ったら、素敵な異性が見つかるのでしょうか? もし見つからなかったら、お金がもったいないじゃないですか!?」というものです。

(独身者)本当に、そういった所、例えば「婚活パーティー」なんかに参加して、相手が見つかるのでしょうか?   男性の場合、結構お金もかかってきます。果たして、それに見合った効果があるのか、甚だ疑問です。」

という質問に対しては、

(大橋さん)仮に参加費が1万円とします。そして、参加者は男性50名、女性50名とします。
  さて、あなたは1万円を使って、50名もの女性を集めることができますか?
とても無理な話だと思います。
 あなたの代わりにシステムが集めてくれるのです。
 出逢いの数から言えば、かなりコストパフォーマンスは良いと言えるのではないでしょうか!?
 結果がどうなるかは、あなた次第です。それはどの出会いでも同じ。」

こんな感じで、大橋さんは出会いを得るために、幅広い活動も推奨しているのです。

まあ、「出会い」というのは難しいものだと思います。

冷蔵庫や洗濯機であれば、決まった金額を払いさえすれば、みんな同じものが手に入ります。

しかし、「出会い」となると、相場というものがありませんからね。

「出会いにお金を払うのは馬鹿らしい!」という人もいれば、「理想の伴侶との出会いを提供してくれるのであれば、1億円払っても構わない!」という人もいます。

そういった意味では、本当に「Priceless」ですね。

 

最後に、特に気になった大橋さんの考察として、

(大橋さん)
「どこのパーティーがいいですか?」や「どのパーティーならいい人がいますか?」なんて愚問です。
どこに行ってもある程度の人数が集まれば、参加者は同じような構成になります。
魅力的な人もいれば、そうでない人も、どのパーティーも同じような割合でいます。
相手を求めた未婚者が100人集まると、これはもう「社会の縮図」なのです。

ここで決められないと他でも決められません。
自分を高めるか、相手への理想や求めるものを変えないと、なかなか相手は決まらないのです。」

というのがあります。

100%賛同とはなりませんが、かなり当たっている気がします。

皆さんの高校時代を振り返ってみても、40人中、1~2割が「イケてる人達」、6~8割が「普通の人達」、残りの1割前後が「イケてない人達」という分布ではなかったでしょうか!?

クラスの半分以上が「イケてる人達」なんていうのは、ドラマの世界だけでしょう。

たまに、どこの集まりに参加しても「いい人がいなかった」と言う人がいますが、それを許されるのは上位1割に毎回入っている人だけではないでしょうか。

勿論、人間ですから好きなタイプ・嫌いなタイプというのがあります。

しかし、相当数の異性と会っているのに、ずっとピンと来る人がいないと感じているのであれば、自問自答してみる必要があるかもしれませんね。

本書は、出会いの段階から、デート、そしてプロポーズの仕方に至るまで、数多くのアドバイスが記されています。

確か、大橋さんが運営する「花婿学校」でも、話し方についてのレッスンも行っており、そこからのフィードバックも多いのでしょう。

多少キツイ言い方も目につきますが、恋愛経験の少ないと自認する人には、かなりオススメの内容となっています。

P.S.
大橋さん、昔は全くモテなかったそうですが、お写真を見る限り、笑顔がステキで結構イケメンですよね!
これも自分磨きのたまものでしょうか。