10年程前、アメリカの独身者の中では、マッチングアプリは使っていて当たり前!という状態で、独身でマッチングアプリを使っていない人はほぼいないという記事を目にしたこともあるほどです。
国土の広さ、人口密度を考えると、とても効率の良い出会いのツールだった訳です。
そして、日本。
10年前には既に日本でも登場はしていました。
しかしながら、一般の人には受け入れられていない感じが強くありました。
我々婚活事業者も、「しばらくは普及しないだろうなぁ」という意見を持っていた人がほとんどでした。
理由は、登場当時に出会い系として犯罪に巻き込まれたという多くのニュース報道があり、まともな人は使っていないというイメージを多くの人が持っていたからです。
それから、10年ちょっと。
ようやくというか、マッチングアプリが日本でも市民権を獲得してきました。
各種のアプリが登場し、年代や趣味嗜好の棲み分けもされてきており、市場も昨年の2倍に成長しているとか。
芸能人がマッチングアプリで実際に出会って結婚まで結びついた!というニュースもあり、身近な存在になっていますね。
ガラケーからスマホに変わり、若い人ほど一日の大半をスマホを眺めて暮らす生活になっています。
マッチングアプリの相場としては、男性が月額5000円前後、女性は無料となっており、アルバイトをしている大学生でも払えなくはない金額です。
街中でのナンパとは異なり利用の精神的ハードルはとても低くく、ゲーム感覚で利用できるため、今後ますます普及していくのでしょう。
そうなると、現在の「結婚相談所」や「結婚情報センター」との棲み分けが問題になってきます。
個人的には、「結婚情報センター」の立ち位置が微妙になってくると思います。
経営者としては、「コイカツではなく、コンカツ」ということを謳う、本気度の高い人を対象としたサービスに舵を切っていくことになるのでしょうが、既にそちらを対象としたマッチングアプリも数多く出てきています。
料金が半額くらいで提供されると、あと優位性としては、参加者の身分証明くらいでしょうか。
マッチングアプリでは、通常、運転免許証などで身分確認を行うところはありますが、独身証明書や収入証明まで提出が必須になっているところは、ほとんどないです。
そこまで担保された人に会いたい!というのであれば、もう結婚相談所の方が良いのでは!?と個人的に思うのですが、いかがでしょうか。
そもそも、結婚情報センターは基本的に情報提供であり、データベースの利用にお金を払っているようなものです。
それで成婚できるような人は、マッチングアプリでも上手く行く人が多いでしょう。
ただ、どこまで結婚に対して相手が本気なのか?ということや、公開されている情報の真偽を自分で確かめなくてはいけないというのはありますね。
そういった安心料として、料金高めのマッチングアプリとして割り切れる方には需要があるのかもしれません。
現在、大手の結婚相談所もここ数年で統合が進んでおり、遅れながらもマッチングアプリの提供を開始しているところもあります。
マッチングアプリの強みの1つは、その参加者数です。
当然ながら、多くの男女が登録しているところに人気が集中しがちです。
Winner takes all の世界です。
あとは、切り口として変わったもの、市場としてニッチでありながらも一定数の熱狂的で継続課金してくれる人がいる分野でしょうか。
婚活のツールとして新しく登場したマッチングアプリですが、ゲームチェンジャーとして市場を大きく変えており、結婚相談所のパイを大きく奪ってしまうのか、もしくは大手結婚相談所が彼らを吸収してしまうのか、注目したいところです。
「CD」が登場して「レコード」の市場を奪ってしまいましたが、その後すぐに今度は「ダウンロード」で聴くスタイルが普通になってしまいました。
そんなレコード市場も規模は縮小されましたが、無くなってはいません。
結婚相談所も適切な規模に縮小されていくのか、もしくは全く新しいスタイルでの出会いの提供を始める所が出てきて、そこが伸びていくということがあるのかもしれませんね。