婚活ストーリー

優しすぎる彼を受け入れられなかった彼女

2015.10.16

"優しすぎる彼/

学生時代の友人の話です。

彼女は友だちである私から見ると非常に魅力的でおもしろい女性でしたが、私が知る限りでは一度も彼氏ができたことはありませんでした。

大学を卒業しアラサーになってもその状況が続いたことで、親からの干渉がひどくなってきたことをきっかけに、婚活を始めたのだそうです。

最初は合コンだとか街コンのようなもので出会いを探していたそうですが、好みの男性が現れることはなく、また結婚を焦る気持ちもあったので、有料の婚活サイトを利用することにしました。

自分でも気になる男性にメールを送ったり、何度かデートもしましたがなかなかうまくいかない中、ひとりの男性が彼女にメールをくれたそうです。

年齢は30代半ば、中小企業に勤めている方で、彼女とは映画鑑賞という共通の趣味があったことでメールを送ってきたようでした。

写真を見る限り普通の人だし、年収も生活環境も問題なさそうだということで、彼女も幾度目かのメールのやり取りの後、直接会ってみることにしました。

 

私が最初にその人のことを彼女から聞いたのは、3回目のデートが終わってからだったと思います。

30代には見えない若々しい人で、優しいというかジェントルマンという感じで、ものすごく彼女のことを尊重してくれるのだと、友人は目を輝かせていました。

婚活サイトであんな素敵な人と出会えるなんて。というより、なぜあんな人が今まで結婚していないんだろうとべた褒めです。

私も写真をみせてもらいましたが、顔はそれほどイケメンというほどではないにしても、好感のもてるさわやかな容姿の方だったと思います。

 

彼女はそれからも彼とデートを重ね、いよいよ婚約という段階まで進みました。

しかしその段階になって、彼女から不安の声をきくようになってきたんです。

いわく「彼は優しすぎる」とのこと。なにをするにしても彼女の意見を優先してくれるし、愚痴をいっても全部受け止めてくれる。

ワガママがすぎるかもしれないということでも、口に出せば必ずかなえてくれるのだと言います。

優しいならそれでいいじゃないかと私は思いましたし、もしかしたらマリッジブルーというやつかなとも考えて、うんうんと聞いていたのですが、数か月後、彼女から届いたメールには彼とはお別れしたのだと書いてありました。

 

どうにも不思議で、でもメールの様子が落ち込んでいるように感じたので、少し時間を空けてから彼女に会いに行き、話を聞いてみました。

すると、あんまりにも優しすぎる彼に不安になって、本当は自分に隠していることがあるんじゃないか、自分といても本音をさせないだけなのではないかと、彼を泣きながら責め立てたのだそうです。

彼から帰ってきた言葉は、「やっぱり君もそういうんだね」。彼には今までお付き合いしてきた女性が何人かいたそうですが、みんなに優しすぎて不安だと言われて別れを告げられていたのだそうです。

彼としてはいつも本音で相手に接しているし、何も無理をしているわけではない。

なにも隠し事はないし、これがありのままの自分なのに、なぜ毎回そんな風に喧嘩になるのかわからないと話していたそうです。

友人は彼の優しいところが間違いなく好きだったと言います。

信じていなかったわけではなくて、でもそんなに心の底から他人の幸せを願ってくれる人がいるわけがないと、結局は彼のことが怖くなってしまい、別れを選んだのだと話してくれました。

私は彼と直接会うことはなかったので、実際彼が友人に対してどんな態度で接していたのかはわかりません。

でも彼の方は結局、ありのままの自分というものを受け入れてもらえないことに我慢ができないという気持ちがあるのかなあとは思いました。

彼の人格がどうなのかなんて私には何も言えませんが、本当に非の打ちどころがなく性格の良い人だからといって、結婚できるわけではないのだなととても不思議な感じがしました。