婚活ストーリー

「逆境に負けないで、結婚したふたり」

2015.12.17

逆境に負けない
marriage / kumon

男女が出会って、恋愛し結婚する。

ごくありふれた出来事ですが、それぞれのカップルが特別な思いを抱いて結婚という人生最大のイベントを過ごします。

昔は結婚とは家同士の結びつきという意味合いも強く、本人同士の意思とは違う相手との結婚もあったようですが、今は基本的には結婚する当事者同士の意志が尊重されるようになりました。

そんな中でもいざ結婚となると両親や親戚の意見もがぜん重みをもってくるものです。

本人同士は至って自然な成り行きで結婚しようとしていても、周囲がそれを許さない、そんな悲しい状況に陥ってしまうこともあります。

 

私の友人夫婦は恋愛結婚で、周囲から見ればごく普通のカップルです。

とても穏やかな結婚生活を送っている姿は幸せそのものです。そんな彼らが、結婚に際してとても大変な時期を送っていた事はかなり後になってから知ったのです。

大手企業でバリバリ働く彼と、彼女は社内で出会い順調に交際を進めていました。

いずれは結婚するという事はごく普通の成り行きで、もちろん周囲もそれを認めていました。

ところが、転機が訪れたのは、結婚間近という時期だったのです。

彼が健康診断の結果、癌であるというショッキングな出来事が起こってしまいます。

まだ若く、これからという彼にとっても受け入れ難い病名、そして彼女にとってもまさかという衝撃でした。

結婚間近の幸せなカップルが、突然闘病生活という現実に晒されます。出世意欲も高くバリバリ働いていた彼にとってもそれは人生を左右する大きな出来事だったでしょう。

幸い、手術と治療で病状は落ち着いたものの、放射線治療をした事や病気の部位などから、将来子供を授かれるかどうかは微妙だと医師から告げられました。

彼は、まだ若く健康な彼女が自分の為に苦労し、授かれるはずの子供ももしかすると授かれないかも知れないという事実を重く考え、自分との別れを切り出しました。

それは苦しい選択だったでしょう。

ところが、彼女はそんな考えは一切持たなかったのです。病気になっても、彼は彼だと。結婚する意志はゆるぎないものでした。

これまで思っていた通りに結婚したいという意思を伝えました。

そして、両親への結婚の意志の報告の日がやってきます。

 

親も公認の付き合いを続けていた二人。彼が闘病していた事は内緒にしていましたが、やはり結婚するにあたり、病気の事、子供を授かれるか分からない事はきちんと伝えるべきと、両親に打ち明けました。

親はもしかすると病気の事実を聞いて結婚を反対するかもしれない、そんな覚悟は二人の内心にはありました。

それでも、反対されても結婚すると心には決めていたのですが。

報告した時の両親の反応を見て、二人は涙を流したそうです。

「病気になったからと言って相手を見捨てるような娘には育てていない。」

 父親の言葉は重く、威厳がありました。

もちろんこれから結婚生活を送っていく娘の結婚相手が大病をしていた事は心配で無い訳がありません。孫も産まれないかもしれない。

でも、重要な事はそのような事ではないと、結婚するにあたり語られた両親の潔さと強さに心から感動したのです。

順調な恋愛と結婚も幸せなものです。

しかし、何か問題を抱えていたり、逆境に立てばこそ見えてくる幸せというものもあるのですね。そこには本当の愛情や人としての生き方が現れてくるものです。

一生を共にする人なら、何があっても二人で乗り切っていくという強い絆で結ばれていたいものです。

健やかなる時も病める時も相手を愛しますか、というキリスト教の結婚の誓いの言葉があります。

どんな逆境でも相手を見捨てない、そんな深い愛でお互いが支えあって生きていける、それが理想の結婚かも知れないですね。