婚活ストーリー

「婚活を始めた彼女」と「始められなかった私」

2016.04.18

婚活を始めた
One way both ways / Kyle MacKenzie

 私には、かつて十年の時を一緒に過ごした恋人がいました。大学に入学して、初めてできた恋人で、同い年のおっとりとした性格の人です。

同じ大学だったので、学生のころはそれこそ毎日のように話をしていました。

特別なデートをするようなお金の余裕がなかったので、大学で話すかお互いの家に行ってご飯を食べるかという感じの日々でしたが、充実度は半端なかったです。

些細なことで笑いあったり喧嘩したり、家族のような近い距離でのお付き合いでした。

 

それが少し変化したのは、大学を卒業して、社会人となってからのことになります。

私も彼女も、就職先は違うまでも会社員として就職することができたので、生活は二か月もすれば安定したものの、会えない日々が続きました。

メールや電話でのやり取りはたまにしていましたが、じっくりデートという形で時間が取れたのは、秋の終わりごろのことだったと思います。

それまでが毎日のように顔を見ていたので、久しぶりに会えた時は慣れず、いつもの調子を取り戻すまでにしばらくかかりました。

それでもお互いにとりあえず仕事の方を優先しようという話をしてからのことだったので、特に別れ話が出るようなことはなく、会えなかった時間を埋めるように色々な話をしました。

ほとんどが仕事の話で、恋人同士の甘さとは無縁だったものの、楽しかったし勉強になる良い時間でした。

 

それからは記念日に会ったり夏の長い休暇の時にデートをしたりして、何年も同じように過ごしていきましたね。その時の私は、そんな時間がいつまでも続いていくような気がしていました。

結婚ということを真面目に考えないまま、いつか彼女と籍を入れて、この先も同じように生きていくのだろうと漠然と思っていました。

だから彼女にいきなり、「そろそろ結婚しないか」といわれた時に、とっさに正直に今はまだ考えていないといってしまったのかもしれません。

彼女は私の答えにショックを受けた様子で、私は気まずくなって、逃げるようにその場から退散することになりました。

私は彼女も同じように、まだまだ結婚を意識していないのだと思っていました。世間は婚活ブームだなんだといっていて、周囲の友達も次々と結婚していて、子供の親となった同級生も少なくなかったけれど、自分たちにとってまだ結婚というゴールは先にあるものだと考えていたのです。

でも彼女は違いました。結婚と仕事と、最初は確かに同じところにあった気持ちは、いつしか異なるところにあったのです。

そして今でも私は、彼女がどの時点で私とは違う認識を持つようになったのか、どのタイミングがそれだったのか知ることができずにいます。

もしかしたらタイミングが分からなくても、彼女が結婚を切り出したタイミングで、すぐにでも自分の気持ちをシフトさせればよかったのかもしれません。

でも私にはそれができずに、数か月後十年共にいた彼女と別れることになりました。

彼女が別れようといって、為すすべもなく頷くような情けない別れ方でした。

 

私がその後も仕事に追われる日常に戻る一方で、彼女はそれから婚活を始めて、結婚相談所を利用して三ヶ月で結婚したと共通の友人から聞きました。

実家に戻って、一年後には子供にも恵まれたそうです。

私はいまだに子供もなく、ようやく婚活というものを考え始めた段階にいます。

婚活というのが、ただの恋人を見つける行動ではなくて、家庭を築くための準備をすることなのだとは最近知ったことです。

婚活は結婚を考えている者同士行うものだと聞いて、当時の私ではだめだったわけがわかりました。

結婚というものを意識していなかった私では、婚活の相手には不十分だったのです。彼女にはそれがすぐにわかったんだなあと思いました。

私がもっと早くに婚活に対して気持ちを持てていたら、今婚活をすることもなかったのでしょう。

結婚は相手とのタイミングが合うかどうかの問題だと聞きますが、まさしくその通りでした。今は同じように結婚のタイミングをはかっている人と、出会うために積極的に活動しています。