今月の書評(婚活編)

3年以内に結婚画像

「3年以内に結婚しようと決めたあなたへ」の書評(その1)


著者は大阪で結婚相談所を経営している女性の方。

本書は、全体を通して、アラフォー女性(一部30代前半)に向けて書かれています。

1985年に開設したとのことで、結婚相談所においての時代の変遷を肌で感じており、
特にここ数年、相談所へ訪れる方が昔と違うことに驚きを隠せないとのことです。

 

その違いと言えば、まずは「年齢」。

40歳前後の女性が多くなっていることが一つ。

もう一つは、女性のレベルが総じて上がっていること!

 

そういうと、「そんなにレベルが高いのであれば、すぐに結婚できるのでは!?」と思うかもしれませんが、そうでもないのだそうです。

社会情勢の大きな変化もあり、今まで当たり前だった出会い方、たとえば社内恋愛などが成立しづらくなっていることを指摘しています。

なので、出会いから縁遠いという女性が増えているのは当たり前で、決して恥ずかしいことでもなんでもないと著者は言います。

世の中では、平均初婚年齢を過ぎた女性を「負け犬」と揶揄したりする人もいますが、それはあまりにも現場を知らない人の戯言だと切り捨てます。

 

もちろん、結婚相談所を訪れる人全員が素晴らしい女性という訳ではありません。

著者の経験で言えば、結婚相談所に訪れる人を面接する時に、自然と3つのタイプに分かれるのだとか。

タイプ1は、「時期が来ればきっとよいご縁に恵まれる」と確信できるタイプ

タイプ2は、「僅かだけど、残念な癖や考え方に凝り固まっており、それがご縁を遠ざけている」と感じるタイプ

タイプ3は、「この人はどうしたって難しいだろう」と思えてしまうタイプ。

 

タイプ1の女性は、モテないのではなく、ご縁がないだけ。

ご本人はとても謙虚で素直。

相手の欠点をあげつらったりしないし、悪口は自らの品性を傷つけるということを弁えているような人なので、だれもが何をおいても彼女には幸せになって欲しいと、心から思う人。

まあこんな人は、お見合いを組むだけで、ほっておいても自然と結婚していくので、仲人としても楽でしょうね。

 

そして、実際に多いのはこのタイプ2でしょう。

スタイルも育ちも悪くなさそうな経歴。

しかし、人の心を無意識に逆なでするようなことを言ってしまうなど、一癖あるような人。

厄介なのは、本人にそんなに悪気がないところだと言います。

こういった人は、自分の癖を自覚的に直していくことか、それをひっくるめて好きになってくれる相手に出会わないと結婚は難しいと、筆者は感じています。

 

最後の、タイプ3.

このタイプは、最初の面談ですぐに判別がつくそうです(苦笑)

それは、口癖が「だって。。。」「でも、・・・」

自分の考え方が絶対だと思っているので、相手がそれにそぐわないと我慢できないのです。

その裏側には、自分への自信の無さが透けて見えると言います。

仲人や相手がちょっと何かを言うたびに、それを自分への攻撃だと受け止めて、「でも、、」「いや、、」となる。

ビジネスでは、そういったコンプレックスをバネにして伸びることはありますが、婚活の場ではマイナスでしかないと指摘します。

その結果、自分を顧みずに条件ばかり追い求めてしまい、結婚どころか、お見合いの相手すら見つからないというケースが多々なんだとか。

 

結婚相談所に来る方の多くは、他の婚活サービスを体験している人が多いそうです。

ある意味、婚活で苦労した人が最終的に行きつく場所と言えるのかもしれません。

そして、多くの人が勘違いしているのが、「ここにくれば、自分が望む条件の人を紹介して貰えるんですよね?」と意識・無意識に考えているということ。

しかし、著者はそれを甘い考えと見なし、否定します。

 

今までやってきたスタイルをここでも通そうとすると、上手く行かない可能性が高いと分かって頂かないとダメだそうで、まずは客観的に自分を見つめるところから始めて みましょうと説得する場合が多いそうです。

要は「自分目線」だけでなく、「相手目線」で考えられているのか?ということです。

つまり、女性の婚活に必要なのは、「男性目線での自分磨き」ということに気づく必要があると言います。

よく言われるように、「相手から何をして貰えるか」ではなく、「相手に何をしてあげられるか」を考え、もし自分が男性だったら、どういう女性と家庭を築きたいと思う のかを考えてみましょうということになるのでしょう。

 

続いて、著者が長年の経験の中で気づいた「なかなか結婚が決まらない3つのパターン」を紹介してくれています。

1つ目は、有名大学や大学院卒などの高学歴であり、卒業後には一流企業に就職したり専門職に就いたりして、重要な仕事をバリバリとこなしている有能な女性。

このタイプの女性がハマりやすいパターンは、相手となる男性は、自分を更に向上されてくれる人であり、社会的にも有能だと認められている人でないとダメという考え方 。

 

2つ目は、結婚を望みながらも背負っているものがあまりにも大きすぎて、お相手が見つからない女性。

先祖代々のお墓や土地を守る立場だったり、会社の跡継ぎ娘であったりするタイプです。

ご本人自体は育ちの良さも手伝って、素晴らしい人が多いのですが、相手との釣り合いが取れなかったり、親が前に出過ぎたりと、なかなかまとまらないことが多いようです。

 

最後の3つ目は、単に無知な人たち。

自分の市場価値と、結婚市場の需要供給のバランスが分かっていないのです。

結局、上記3つのパターンに共通して言えることは、『身の丈を測り間違っている』ことからきているようだと著者は言います。

そして、もう少し、自分に都合よくばかり考えるのではなく、第三者のアドバイスを素直に聞ける、客観的な耳を持つことを勧めています。

<次回、その2に続く>