今月の書評(婚活編)

3年以内に結婚画像

「3年以内に結婚しようと決めたあなたへ」の書評(その3)


今回で本書の書評は終わり。

 

結婚相談所といえば、「お見合い」。

特に現代人にとっては、非日常的な出会い方ではありますよね。

自分を上手くアピールするという意味では、就活にも似ている気がします。

「人生すべてがプレゼンテーションである」と言った人がいましたが、確かにそうかも。

 

さて、いまどきの「お見合い」というのは、ドラマに出てくるような、鹿威しがカコーンとなるような大きな庭がある和風料亭で行われることはまずありません。

実際には、ホテルのラウンジで行われるのが一般的でしょう。

そんなお見合いですが、何度やってもお見合い後、交際に発展しない(断られる)人はいるそうです。

プロフィール上では、申し分ないほどで、外見もイケメン・美人であるにも関わらず。

その原因は、何でしょうか?

 

それは、少しばかり体裁をつくろっても隠すことのできない、その人自身の致命的な欠点が見えてしまっているということだと著者は指摘します。

まあ、そうですよね。

僅か1時間程度の会話で、全ての人に「もうこの人とは会わなくてもいいかな」と判断されるというのは、小さな欠点ではないことが窺い知れます。

具体的には、マナーの問題であったり、常識という名前の暗黙の了解であったりする訳ですね。

いきなり砕けた話し方をしたり、初対面で収入の話を持ち出したり、自分の話ばかりしたり、会社のグチを言い出したり。。

普段では取らないような行動も、緊張感とよく見せたいという気持ちから、自分でも思いもしなかったことをする人も少なくないでしょう。

 

「お見合いは出会い系などとは違い、一生の伴侶を得て結婚に向かい、一歩ずつ段階を踏んで進んでいく、とても厳粛なものなのです!」とは、著者の言葉です。

そこには行儀よく振る舞いながらも、相手との距離を測りながら、相手を見定めていくという技術が必要なようです。

 

そんな会員さんのお見合い・交際を見ていて、仲人として気づいたことがいくつか出てきます。

その交際が成就するかどうか?の1つのヒントとして、会員の口から「私、あの人といると楽なんです」というもの。

経験上、ほとんどの人は、最終的には「楽」でおさまるそうで、結婚という分岐点を過ぎた後も、「楽」で結びついたカップルというのは、良好な関係が続きやすいそうです。

そういった意味でも、(自他ともに認める)釣り合いというのは大事なのかもしれませんね。

 

 

お見合いの良いところは、事前に相手の素性が分かることです。

しかし、相手の性格までは分かりません。

それは会員だけでなく、仲人さんも同じ。

実際、仲人さんはお見合い中、ずっと同席する訳ではありません。せいぜい、お見合い会場で二人を引き合わせてくれるまでです。

最終的な判断は、自分がしなくてはいけないのです。一度結婚を決めたら、全ては自分の責任になります。

「仲人さんがいい人だと言ったから…」とか、「うちの両親も反対しなかったから…」といったことを言っても、結婚の失敗はすべて自分が負うことになります。

そういった意味でも、普段から異性を見る目を養わなくてはいけない!と著者は強調しています。

本書は、アラフォーの女性に向けて書かれているので、男性の見抜き方についてアドバイスされています。

そのいくつかを紹介すると、

・「お金の使い方」は、その人の生き方そのものといっても良いので、注意して観察するべし!

・理系エリート男性は、コミュニケーション能力が低い人が少なくないので、事前に覚悟しておく

・すぐに「母が」という男性は、マザコンというよりも無責任さの表れであるので、注意!

 

実際、現場でもこういった男性は敬遠されるそうですが、それでもプロフィールに惹かれて交際、もしくは結婚まで行ってしまい、最終的に短期間で離婚というケースは多いようですね。

とはいえ切羽詰まってくると、思考停止してしまい、「100点満点の人はいないのだから」と自分を無理矢理納得させる人も出てくるでしょう。

 

 

結婚相談所では、「3か月ルール」があります。

交際を始めて3か月を目途に結婚の意思をハッキリさせるというものです。

多くの人が、「えっ、そんな短期間で決めれるものなのですか?」と驚くそうですが、実際にほとんどの人が3か月で決断しています。

結婚を前提にした出会いであることや、お互いの素性がハッキリしているので、お互いにフィーリングが合えば、後は早いのです!

この3か月ルールがあるおかげで、ムダに答えを引き延ばされないというメリットもある訳です。

もちろん、「まだ決心できないので、もう少し答えを待って頂いてもいいですか?」ということは可能です。

 

でも、著者は言います。

「3か月で決められなかったら、おやめなさい」と。

 

3か月で決めろと言っているのではなく、3か月もお付き合いをして結婚したい感情が起こらない人は、最初からご縁の人ではなかったということだと。

著者の経験上、3か月経ってから「まだ決められないのです。もう少し待って貰えませんか?」と言ったカップルで成婚に辿り着いた人はいないそうです。

という意味でも、交際の3カ月間というのは、ほぼ直感の延長上にあるのかもしれません。

見る人が見たら、最初のお見合いで「この二人は結婚するな」というのが分かるのではないでしょうか!?

 

そういえば、将棋の羽生名人が過去の勝負の中で、「迷ったら直感に任せて打つ」ということを言っていました。

結果として、「直感で打ったものの7割は正解だったと思います。」と言っているので、人間の直感というのは案外正しいのかもしれません。

でも、その直感を磨くための努力も事前準備として必要なのでは!?とも本書を読みながら思った次第です。

 

以上、3回に亘り『3年以内に結婚しようと決めたあなたへ』をご紹介させて頂きました。

文体がやはり「関西のおばちゃん」という感じで、好みの分かれる人柄だと思いますが、ハマる人にはハマると思います。

これから結婚相談所への入会を考えている人には、参考となる書籍だと思います。