今月の書評(婚活編)

見切りの早い_

「見切りの早い女。すぐにあきらめる男」の書評(その1)


副題:出会い難民症候群の時代
著者:水野 真由美さん

 

このタイトルを見て、「確かにそうだ!」と納得された方。

結構多いものと思います。

婚活系のビジネスに携わっている方であれば、なおさらでしょう。

本書の著者は、趣味が高じてか!?学生時代から男女の交友関係の仕事に携わっていて、就職自体はSEとして就業したにも関わらず、土日を使ってブライダル関連の仕事もしていたという経歴の持ち主です。

今では、RUSHという名前の「合コンセッティングサービス」を提供している会社の代表取締役をされていますね。

 

さて、彼女が本書を上梓するに至った経緯は、ビジネスの宣伝は勿論ですが、世の中で一般的に思われていることと、婚活現場で起きている現実との乖離の大きさからではないかと思われます。

もっと言えば、結婚できている人と、出来ていない人。

そこにあるのは、現実と理想の間にズレがあるかどうか?なのかもしれません。

 

例えば、副題にもある「出会い難民症候群」と言われる人の特徴は、出会い方に妙なコダワリがあることを挙げています。

彼女が今まで仕事でお会いしてきた既婚者の話を聞いても、漫画や映画に出てくるような劇的な出会い方をしているカップルなんて、まずいません。

ほとんどのカップルが、「初めてであった時のことは、あまり覚えていません」というのが普通なのです。

白馬に乗った王子なんて、実際には夢物語であると断言します。

まずは「結婚といっても、案外、みんな普通の出会いなんだ」ということです。

 

さらに、お見合いパーティーでの出会いも数多く見てきて、驚くほど素敵な人もいるものの、長い間通われている人を見ると、結婚出来る人とできない人の違いについて考えさせれる訳です。

彼女の仮説では、「もしそこに適切な出逢いがあれば、あとはそのチャンスを活かせる資質があるかどうか?」だと考えるに至ったのです。

そして、「婚活パーティー」だけでなく、「合コンセッティング」であったり、「グループ参加型」であったりと、多くの出会いのカタチを提供するようになったそうです。

そんな経験も積み重なって、先程の信念は強くなっていくのです。

同じイベントに参加しても、「凄く楽しかった」という人もいれば、「全然面白くなかった」という人がいます。

結果としてその場の雰囲気を楽しめる人は、間もなくイベントを卒業し、結婚ということが多かったのですが、何度参加しても楽しめないという人は、未婚のまま。

 

この違いは?

 

そう!未婚のままの男女の特徴として、

『度量が狭く、柔軟性が無い人がほとんど』

ということ。

結婚への結びついた人は、一瞬でダメだと決めつけずに、その場を楽しく過ごそうとする余裕があったこと。例えこういったイベントでカップルにならなくても、日常生活での出会いから結婚に至った人も少なくないのだとか。

つまり、結婚できる人は常日頃から、受け入れ上手で、相手の良いところを見つけるのが上手いことなどが挙げられるのです。

 

一方で、相手の品定めばかり考えている柔軟性の無い人は、年月を重ねていくと、ますます自分の価値観に凝り固まっていく傾向があります。

特に女性はますます理想が高くなるのですが、ある時を境に一気に婚活市場で需要がなくなるそうです。

30歳前半まではバリキャリで美人というのはポイントが高いものの、35歳を過ぎると理想に見合った相手から声を掛けられなくなるという。

やはり、男性はプライドの生き物ですから、どんなに魅力的にあっても自分の手に負えそうに無い相手との結婚は望まない傾向があるようです。

また、結婚後も一緒にいて気が休まらないというイメージがあるのでしょう。

そこから、「結婚しない」のか、「結婚できない」のか、本人にも分からなくなっていくのです。

 

 

未婚である理由を聞かれると、「一人でいるのが楽」というのがありますが、これも正直怪しいと著者は考えています。

恋愛下手であることを誤魔化すための、言い訳にすぎないというのがホンネだと。

自分のホンネと向き合って、結婚したいと思っているのであれば、一日でも早く行動に移るべき!

特に、40歳になってからでは、家庭の問題も絡んでくる可能性が高まり、動くに動けない状況になった人を何人も見てきたそうで、30代前半でのんびりしている独身者の人達に警鐘を鳴らしていますね。

「妥協すれば結婚できる」というのも、嘘だと断言します。

「妥協」という言葉が出てくる時点で、そういった人は「受容」、つまり「許容力」が弱いので、結婚に辿り着く可能性は低いというのが、著者の意見なのですね。

 

<その2>に続きます。